本日もNIKKEI電子版から、(でも、そこそこびっくり!)
日銀によると、15年の不動産業向け新規貸し出しは前年比6.1%増の
10兆6730億円。日銀が量的・質的金融緩和に踏み切った後の3年で
3割増えた。融資残高でみても、15年末は65兆7102億円と18年ぶりに
過去最高を更新した。国内銀行による融資全体の14%を占めている。
前回のピークは不動産バブルだった89年の10兆4419億円で、この際
は地価の急騰を伴って融資額が3年で倍増した。大蔵省(現財務省)は
90年に不動産融資の総量規制に踏み切り、バブル崩壊の引き金の一
つとなった経緯がある。15年は公示地価(全国・全用途)が前年比で0.3
%下落。マネーの流入で押し上げられているのは三大都市圏などにとど
まる。
今回は「不動産投資信託(REIT)など不動産ファンド向け融資が特に伸
びている」(メガバンク)。REITは収益性を見極めて都市部のオフィスビル
や商業施設などに投資しており、値上がり期待だけであらゆる投資家が
不動産に資金を回したバブル期とは異なる。銀行融資の拡大や日銀によ
る購入でREITの資金調達環境は改善しており、REITの保有不動産は1
月現在で約14兆円と3年で1.5倍になった。
銀行の融資は不動産会社を経由してマンション市場にも流入している。
外国人や富裕層による節税や投資目的の購入増などがマンション販売を
押し上げている。首都圏では15年の1戸あたりの平均価格が5518万円と
91年に次ぐ高値だ。マンション事業が好調だった住友不動産の連結有利
子負債は15年末に3兆1318億円と1年で約1400億円増えた。
15年後半には価格の割高感からマンションなどの需要にやや陰りが出て
いたが、日銀が1月にマイナス金利政策を打ち出したことでREIT価格が急
上昇するなど不動産市場は再び活性化しそうだ。「運用難の銀行は不動産
向けの融資を再び拡大させざるを得ない」(マネックス証券の大槻奈那チー
フ・アナリスト)
個人向けでも三菱東京UFJ銀行などメガ銀が住宅ローン金利の引き下げ
競争を始めた。住宅ローンの融資残高は15年末に117兆6760億円と過去
最高を更新しており、さらに拡大する公算が大きい。
マイナス金利を導入したデンマークやスウェーデンでは不動産価格が大き
く上昇した。日本でも景気回復が遅れて大規模な金融緩和が長引けば、不
動産への資金集中が将来の価格下落リスクを高める懸念がある。
だって。。