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【気になるニュース】東京都が屋根貸しマッチングビジネスを開始

東日本大震災以降、益々注目が高まる再生可能エネルギーですが、東京都が太陽光発電事業者と建物オーナーさんを結びつける面白い事業を始めたようです。
以下、東京都のHPより引用です。

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 本年(2012年)7月から固定価格買取制度が開始されたことにより、建物所有者が自ら太陽光発電を設置する従来の手法だけでなく、発電事業者が一定の面積を有する屋根を借りて太陽光発電を設置し、建物所有者が屋根の賃料を得る「屋根貸しビジネス」という新しい手法への関心も高まっています。
 これは、発電事業者にとっては、賃料を払いながらも売電による収益が得られる一方、建物所有者にとっては、定期的に賃料が入るとともに費用負担無く太陽光発電が設置され、非常用電源としても活用できる場合があるなど、双方にとってメリットがある新たなビジネスモデルです。
 都は、この「屋根貸しビジネス」のマッチングを図るため、まず、発電事業者の募集(9月27日発表)を行い、合計35事業者を登録しました。続いて、太陽光発電用に貸し出しを希望する屋根を募集し、発電事業者とのマッチングを図ります。

※この記事の著作権は、東京都に帰属します。
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※東京都の「屋根の募集」に関する詳細は、以下の
URLをご参照下さい。

http://www.kankyo.metro.tokyo.jp/climate/renewable_energy/roof_rental.html


日当たりの良い建物をお持ちのオーナーさんにとっては、追加収入を得られる絶好のチャンス!

発電事業者は発電場所を確保できる上に、建物所有者は屋根の賃貸収入を得られる。そして、環境に優しい太陽光発電の普及に寄与するのであれば、関係者winwinの何と素晴らしいプロジェクト!と思ったのですが、何やらハードルも高そうです。


東京都では貸付できる屋根の要件を、以下の3つに絞っています。

    太陽光発電設置用として20年間の貸付が可能であること

    太陽光発電設置が可能な「屋根」面積が150㎡以上であること

    屋根の日照条件が良好なこと

■スキーム図(出所:東京都HP
スキーム図



貸付を行う為には、貸付を希望する建物の所有者全員がこのプロジェクトの参加に同意することが条件となっており、区分所有者が多い分譲マンションで果たして実現できるのか疑問の残るところです。


また戸建て住宅においては、建物寿命や屋根のメンテナンスを考えれば、発電事業者と調整を行うのは難しいかもしれません。


どうやら、屋根貸しビジネスを行えるのは、ビルやマンションを一棟所有しているオーナーさんに限られるというのが現実のようです。

一方で、ビルやマンションを購入したものの、屋根の賃貸借契約が原因で建物を建て替えることができないといった新たな不動産トラブルも今後出てきそうな予感がします。賃貸収入がいかほどになるのか定かではありませんが、屋根貸しの収入が建物の売買価格に反映されることになれば、日照条件による価格差がより一層拡大する可能性もあるのではないでしょうか。制度の普及と共に、法律の整備も進むと思われますが、将来は借地権、借家権に並んで「借屋根権」が誕生しているかもしれません。(語呂が悪いですね。。。)

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