こんにちは。サム・リアルティの高橋です。
東京は9月の後半を迎えようというのに、
日中の気温は30℃を超え残暑が厳しいようですね。
今回は視察2か国目に訪れたベトナム、ホーチミンの住宅・交通事情についてご紹介したいと思います。
ホーチミン市はベトナムの首都ではないのですが(首都はハノイ)、ベトナム戦争終結以前は資本主義体制を標榜する南ベトナムの首都として機能し、港に面した立地からも経済都市としては首都ハノイよりもホーチミンの方が栄えています。
ホーチミン市街地には鉄道・地下鉄が敷設されていない為、空港から市街地までバスやタクシーを利用する必要があります。
まず最初に驚かされるのは、数えきれないくらいのバイクが道路を埋め尽くしているということ。そこはまさにバイクの洪水。ベトナムを訪れる誰もが圧倒されること間違いなしです。
鉄道が未整備であることに加え、ベトナムの平均的な所得水準からすると、バイクが庶民にとって一般的な交通手段であるようです。
街をぷらぷら歩いてみると、歩道を歩く現地の人をほとんど見掛けません。この疑問をホテルの受付にぶつけてみたところ、「ベトナム人は4人家族なら最低3台はバイクを保有していて、200m先でもバイクで移動する。徒歩は交通事故が心配なのであまりしない。」なんて答えが返ってきました。
確かにこれだけの交通量ですから、道路を横断するのも命懸け。さらに、排ガス等空気汚染の問題も深刻なようです。バイクに乗っている人は、大概マスクを装着して排ガスの吸引を防止していますが、私を案内してくれた観光ガイドさんは、子供を出産して以来、ホーチミンの家賃の高さと汚染された空気を嫌って、郊外に引っ越したそうです。
〈クチ市にある伝統的な戸建て。
上物の建築費はなんと40万円〜50万円らしいです!〉
しかしながら、前述のガイドさんが住むクチ市郊外からホーチミンまでは片道約55キロ離れていて、それをバイクで往復3時間かけて通勤すると言うのです。
平均的なサラリーマンの場合、家賃の高いホーチミンでは30㎡〜40㎡の広さの部屋を借りるのが限界とのことですから、ファミリー層が郊外に引っ越すのもうなずけます。一方、ホーチミンでは帰宅ラッシュの時間帯に、ご覧の通りマンションの駐車場ゲートに帰宅者が集中して押し寄せるので、専属の警備員さんがバイクの入る順番を整理しておりました。
その光景には同情したくもなりますが、日本の通勤風景も交通手段がバイクから電車に代わっただけで、サラリーマンの苦労は両国ともに大差はないのかもしれません。
交通事情が異なれば、国によって街の風景や住宅サービスがガラリと様変わりしてしまうところはあらためて面白みを感じるところです。
日本が高度経済成長を遂げていた頃、ベトナムは戦時下にあり、アメリカとの国交を正常化させたのも1995年のこと。経済に市場原理を導入してから日が浅い為、高層のビルは先進国に比べまだまだ少ないですが、今やBRICsの後を追う新興成長国群VISTA(ベトナム・インドネシア・南アフリカ・トルコ・アルゼンチン)の一員として一躍「世界の工場」に躍り出ましたので、市場や家電量販店は購買意欲に溢れる市民でごったがえし大変活気に溢れていました。
〈サイゴン川から眺めるホーチミンの夜景〉
〈賑わう家電量販店、売れ筋は低価格の韓国製品〉
個人的には、これ以上生活水準が上がって、バイクが自動車に代替されたらどうなってしまうのかと行く末が些か心配になるのでした。
海外特派員 高橋
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